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対談この人と
話そう...

2004年3月発行(vol.20)
たかす文庫「この人と話そう…」 染織作家
真木 千秋さん
聞き手 蓮井将宏(や和らぎたかす店主)

武蔵野美術短大卒業後、米国ロードアイランド造形大学で学ぶ。
帰国後、テキスタイルデザイナーとして、企業などで仕事をした後、
1990年に「真木テキスタイルスタジオ」を設立。
インドの野蚕から採れるタッサーシルクなどの手紡ぎ糸を使って作る、
存在感と透明感のある作品は、国内外で高い評価を受けている。




■世界をまわり、足元の恵みに気づく

店主:今秋、真木さんの個展を開かせていただくことが決定しました。今日はそのお礼を兼ねて、東京・青山の真木さんのアンテナショップにお邪魔しています。こんにちわ。

真木:こんにちわ。たかすさんでの個展は3回目になりますね。私は現在、日本全国のギャラリーやお店にお招きいただいて個展を開いていますが、たかすさんでの個展は特に楽しみです。「ギャラリーen」の空間が素敵だからだけではなく、事前のやりとりもディスプレーもとても丁寧で「こんなに大事に考えてもらっているのだから、私もいい作品を揃え、ご来場者に精一杯説明して、たっぷり楽しんでいただこう!」とエネルギーがわいてくるんです。

店主:ところで真木さんは、インドの野蚕(タッサーシルク)に惚れこんで、インドに工房を構え、10年あまりもインドをものづくりの拠点にされていましたが、最近はいかがですか?

真木:ええ、インドでのものづくりは変わらず続けています。でも最近、日本の生糸の素晴らしさにも開眼しまして…。

店主:日本の生糸、群馬県の赤城の糸のことですか?

真木:ええ。私はかつて、自分の理想の糸がほしい一心で、世界を探し回りました。その結果、たどりついたのがインドのタッサーシルクだったのです。ところが、最近「赤城にいい糸がある」という話を聞いて、訪ねてみたら、素晴らしい生糸がちゃんとそこにあったのです。「これは見逃せない」と思い、赤城の座繰りも習いました。

店主:インドから赤城へ、一挙に戻ってきたんですね。

真木:ところがその続きがあるんです。それよりもっと近く、なんとあきる野市の自宅からほど近い八王子に養蚕農家が数軒残っていたんです。そのうちの一軒の若いお嫁さんが、あるとき訪ねてきて、こう言ったんです。

「実は、私は自分が育てた繭から取れた糸で何が作られているか知りません。真木さんは染織のお仕事をされている人と聞きました。ぜひ私たちの繭を引いて、作品を作ってみていただければと思います」と、繭を分けていただくことになったのです。引き方がまだヘタで、ぴしっときれいじゃないけれど、逆に言うとこんな糸どこにも売っていません。これを緯糸(横糸)に使って織ると、とても面白い表情の布ができるんです。

「こんな近くに、こんな素敵な恵みがあったんだ」と、今とても嬉しい気持ちになっています。
■自分らしく、自分でやる

店主:思う糸を捜してぐるりと世界一周して、よく見たら自分の足元にもあったというわけですね。

真木:そう。それでこう思ったんです。
「本当に欲しいものは、探して買うんじゃなくて、自分で作ればいいじゃないか。染織は、もともと人々の暮らしの中から生まれた営みなのだから、やればできるはずだ」って。ましてや私は、学校で染織を勉強し、それからずっと染織に携わってきて、やっとこのことに気づいたのです。なぜそんな簡単なことに気が付かなかったんでしょうね。

店主:「好き」が「仕事」に、「仕事」が「ビジネス」になるにつれて、原点が見えづらくなる部分は確かにありますよね。

真木:そうですね。なので、そう気づいてから、もっともっと自分らしくやろうと思い、やがて自分らしくしかできなくなってしまいました。この頃は自宅の庭で藍を育てたりすることが一番楽しいです。

店主:自分で作った糸を自分で育てた藍で染めるのですね。真木千秋の新境地ですね?

真木:おおげさ。実験段階ですよ、まだ。でも完成度はともかく、その糸で織る時の喜びは一段と大きいのです。

店主:その大きな喜びから生まれた作品に会える秋を楽しみにしています。ちなみに、真木さんの作品が一番きれいに見える季節は秋なのです。「個展は秋に」とお願いしたのは、それが理由です。今日はどうもありがとうございました。

 vol.22(2004年9月発行)より


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