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対談この人と
話そう...

2011年3月発行(vol.48)

たかす文庫
ーギャラリーen 3月の企画展よりー


立原 位貫  氏 インタビュー

立原 位貫 木版画展
2010年3月3日~13日【2回目】
2007年10月13日~28日【1回目】
 
  たちはら いぬき
1951年 名古屋市生まれ
1972年 上京し、ジャズのサックス奏者として活動
1976年 独学で浮世絵版画の製作、研究を開始。
以後、江戸時代の浮世絵版画の復元や創作版画を製作
2010年 歌川国貞作「大当狂言内」全七作復元完成。
自伝「一刀一絵 江戸の色彩を現代に蘇らせた男」を出版


聞き手/蓮井将宏(や和らぎ たかす店主)  
   ※こちらのインタビューもどうぞ→ 【この人と話そう…② 2007年9月号】



――浮世絵の復刻という仕事をされている立原さんから見て、江戸時代はどういう時代ですか?
 
 江戸になって所謂武家の文化が成立しますよね、それまでの貴族に従属した武家から初めて武家が主体になり、そして江戸中期くらいからは町衆の文化が台頭してきます。
 浮世絵というと、今でこそ町人文化の象徴みたいな感がありますが、実はそうじゃなくて、片一方に教養ある武家社会というものがあって、そこに町人の力が台頭してきて、そして花開いた文化の象徴なんです。武家と町人がリンクした中で成熟した時代。これは断定していいかわかりませんけど、僕の印象として、権力者の文化とそれに従属する側の文化があんなに接近した時代は他にないですよ。そこで出てきたものの面白みというのが、江戸にはありますね。
 


――最近出版された自伝を読むと、浮世絵が作られた時代の紙や色を再現する為に、色々と苦労されてますね。

僕は決して今の時代を否定はしないんですよ。過去から築き上げてきたものですから。けど、どこか違うんじゃないかと疑問を持った時、突き詰めていくとやっぱり過去の人間が作り出した物に本質を見ざるを得ない。そこには必然性があると思うんです。和紙はもちろん現代にもあります。でも江戸時代に作られた紙と現代のものでは、善し悪しは別にして、違いがあるんですよ。その“違う”ということに意味を見出していった結果です。僕の仕事は、そういう物の本質を自分で探りながら実感して、実感した上で成り立った仕事です。


――あの、“もったいない”って言葉がありますよね。
最近、その本当の意味というのは、本質を見極める
ということじゃないかと思うんですよ。


そうですね。一木一草にみんな神様がいる、日本人の精神文化は独特で、はるか昔の自然信仰から繋がっていると思いますが、何にでも自分を反映して、自分の内面を何かに見立てることによって真理を見出そうとしてきたんだろうと思うんですよ。そうすると、必然的に何かに対して謙虚にならざるを得ないじゃないですか。大工さんが木を切って家を建てるという時、単に木を切るというほど事は単純じゃない。たぶん深層心理の中で、木を切るという事はものすごい大きな罪を犯すということなんですよ。どこかで罪の意識を持って、それを払拭する為に、そのものを最大に活かそうとする、それに沿うような形で生かそうとする、そういう気持ちが、物事に対して繊細な心理を働かせる。日本人が物を作っていく過程でのすごく重要な要素として未だにあると思います。無意識のうちに。
   



道具と版木(山桜)


  ――ところでずっと気になっていたのですが、
その後ろにいらっしゃる不動明王さん。
それはいつくらいのものですか?

鎌倉から室町くらいまでだと思います。


――これも作った人は彫ってて彫らされてて、
必然性を感じて作ったんでしょうね。
こういうのを見て、立原さんはどんな事を感じているんですか?



 立原さんが大切にしている不動明王さん
    ひとつの指針が必要なんですよ、僕らのような仕事には。思い上がりといわれるかもしれませんが。こういうものが身の回りにあると、いい加減な気持ちで仕事が出来なくなる。その為に必要なもの。物を作る人間は、みんな不安なんだと思います。そういう事とは違う世界にいる人種と思われがちですけど。自分の仕事を突き詰めて行って厳しい目で見れば見るほど、やっぱり不安なものですから。頼りのない仕事ですから。なにもないところから、かたちを生み出すわけですから。あてどもない仕事なんですよ。そういう時にね、なんにもなしで、俺は俺の力でこういうものを作るんだ、と言える人は天才ですよ(笑)
――最後にもう一つ、去年、歌川国貞の「大当狂言内」という大首絵の復刻を完成されて、どういうことを感じましたか?


 一番感じたのは、それまでの浮世絵というのは、例えば、大首絵を代表するのは写楽なんですけど、あくまでこれは僕の印象ですけど、“上方”を残しているんですよ。どこか、でろりとした美というのが残っています。それが国貞になると、もう上方の匂いはしない。払拭されて洗練されたものになって、完全に江戸の、粋でいなせな、自分達の文化を明確な意識したものになっています。それまでは江戸はまだ、上方に対して劣等感があるんですよ。国貞、豊国から一気に江戸的なものが花開いた感じがしますね。

    『一刀一絵
江戸の色彩を現代に甦らせた男』

ポプラ社  \2,625- 
 この奥にご自宅があります。
京らしい露地ですね。
 






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